🛠️ 教育の主な内容

• 農業機械の安全な使い方（トラクター、コンバイン、刈払機など）
• 熱中症・転倒・巻き込み事故の予防策
• 保護具の着用方法（ヘルメット、手袋、フェイスガードなど）
• 作業前の点検・危険予知訓練（KY活動）
• 事故時の応急対応と報告体制
• 外国人労働者向けの多言語対応教材（ふりがな・イラスト・翻訳付き）

📚 おすすめ教材・資料

• 農林水産省の啓発資料：用途別に事故事例や対策がまとめられたPDFや動画が豊富
• 農作業安全情報センター：eラーニングやゲーム感覚で学べる教材あり

🧾 労働安全衛生法のポイント（農業分野）

項目	内容
第59条第1項	事業者は労働者を雇い入れたとき、安全・衛生に関する教育を行う義務がある。
教育内容（規則第35条）	危険物の取扱い、安全装置、作業手順、疾病予防、整理整頓、応急措置など。
改正点（令和6年4月～）	農業分野でも教育項目の省略が不可に。全項目の教育が義務化。
罰則	教育を怠ると、50万円以下の罰金が科される可能性あり。

🌾 農業現場での実施例

• トラクターや刈払機の安全操作を教える
• 熱中症や転倒事故の予防策を共有
• 外国人労働者向けに多言語対応教材を使用（ふりがな・イラスト・翻訳付き）
• 雇入れ時農作業安全研修会などの外部研修を活用

📘 対応関係の概要

分野	国際水準GAPガイドライン	労働安全衛生法との関係
労働安全	リスク評価、保護具の使用、事故対応手順の整備など	雇入れ時教育（第59条）、保護具の着用義務、応急措置の教育など
教育訓練	作業者への教育、技能講習、外国人対応	安全衛生教育の義務化（規則第35条）、多言語対応教材の推奨
機械の安全管理	点検・整備、適正使用、記録の保存	機械使用に関する特別教育、事故防止のための点検義務
保険制度	労災保険の加入確認、事故時の対応体制	特別加入制度の整備、事故報告義務
人権保護	外国人技能実習生への対応、ハラスメント防止	労働基準法・労働安全衛生法に基づく人権配慮義務

出典：農林水産省 国際水準GAPガイドライン

📘 対応関係の概要

項目	労働安全衛生法	JGAP・ASIAGAP
雇入れ時教育の義務	第59条により義務化	管理点11.1〜11.8で教育訓練・資格保有を要求
危険作業のリスク評価	作業前のKY活動推奨	管理点14.1で年1回以上のリスク評価と対策を義務化
事故時の対応手順	応急措置・報告体制の整備	管理点14.3で対応手順の文書化と周知を要求
保護具の使用	作業内容に応じた着用義務	管理点14.2で教育と着用の確認を要求
資格・講習の修了	技能講習・特別教育が必要	管理点11.8で証明書の保管と提示を要求
労災保険制度	特別加入制度あり	管理点14.5・14.6で保険加入の確認を要求

📉 2028年に制度終了予定

2025年4月に発表された方針により、ASIAGAPは2028年に終了し、今後は JGAPまたはJGAP+SA（Sustainable Agriculture） に一本化される予定です。

🧩 実務での連携ポイント

• JGAP/ASIAGAPの審査では、労働安全衛生法の遵守状況もチェック対象になります。
• 農業機械の使用に関する講習修了証や取扱説明書の保管は、両制度で共通して重要。
• 外国人技能実習生の教育も、法令とGAPの両方で対応が求められます（多言語教材の活用など）。

📚 参考資料

• JGAP・ASIAGAP基準文書一覧（日本GAP協会）
• 国際水準GAPガイドライン（農林水産省）